2014/11/9 15周年記念講演と演奏の集い

手賀沼と松ヶ崎城の歴史を考える会




今日もこの城、松ヶ崎城


午前中はミニ講座、バイオリン・フルート演奏、三味線がたり、午後からは講演会
日時:2014年11月9日(日)10時〜16時

場所:柏市勤労会館 会議室・研修室 

会費:500円(会誌代、資料代含む) 



当会創立15周年の記念行事として、午前中は「今日もこの城、松ヶ崎城」のミニ講座、アルペジオさんによるバイオリン・フルート演奏、茗荷さんの三味線がたり、午後からは講演会を開催しました。講師はお二人。間宮正光氏(千葉県文化財保護指導委員)と佐脇敬一郎氏(柏市史編纂委員会参与)で、お二人とも中世史、城郭研究の専門家です。


主催 手賀沼と松ヶ崎城の歴史を考える会

HP: http://www.matsugasakijo.net/

 
講演会要旨


 講演会1「松ヶ崎城の性格を考える」
  講師:間宮正光氏(千葉県文化財保護指導委員)

 ・常総の内海の一角である手賀沼西端に位置する松ヶ崎城は、従来「館城」の一つで匝瑳氏の持ち城とされてきた
 ・しかし、平成14年、15年の二度にわたる発掘調査の結果、出土遺物に乏しく領域支配や恒常的な使用を物語るものはなかった
 ・享徳の乱以降のめまぐるしい政治状況の変化が残した痕跡は手賀沼周辺にもあり、松ヶ崎城がいつ何のために築かれたかを知ることは地域史を考える上で重要である
 ・印西の小林城や柏市の箕輪城と松ヶ崎城を堀などの遺構や出土遺物といった観点で比較すると、松ヶ崎城は統治のための城ではなく、また軍事目的の要塞でもないことがわかる
 ・そのような比較を含め発掘調査の内容、当時の状況から、松ヶ崎城は軍事出動による一時的な使用を前提とし、外部勢力が築いた城と考えられる

 講演会2「伝承にみる手賀沼周辺の城」
  講師:佐脇敬一郎氏(柏市史編纂委員会参与)

 ・伝承に基づく城郭研究は、伝承が資料としての取り扱いが難しいため、あまり進展していないが、今回比較的伝承をもつ城跡が多い手賀沼周辺で、伝承・伝承地と城との関連について考察を加えてみたい
 ・個別事例としては、1)御蔵屋敷(柏市根戸にあった城跡で「東国闘戦見聞私記」にある「手賀沼の入江を切処」とした城か)2)箕輪城(粟飯原氏の伝承など)3)鷲野谷城(手賀城と並ぶ拠点城郭)4)手賀城と小森城・になひ塚(大規模な手賀城と近接する城塞、小森城の「板ばさみの小森城主」伝説)5)富塚城と豊四季道灌堀(太田道灌の伝説)など
 ・伝承は他の記録、城の構造配置などの情報と組み合わせて資料的な価値をあげることができる
 ・伝承は遺構が失われた城跡の存在の裏付けにもなり、城跡群・伝承地群の地域単位の比較研究を通じて、伝承の裏にある史実にアプローチできる
 

 

当日講演会の様子など

 
 平成16年に柏市文化財と指定された松ヶ崎城跡。 文化財保護の各種活動や地域の皆さんのご尽力があって、この城は守られてきました。 その保存を目的とした当会も、お陰様で創立15周年を迎えました。
 この松ヶ崎城跡は、首都圏では珍しく遺構がよく残った城跡です。 今回、当会創立15周年記念として、研究者お二人にご講演をお願いし、松ヶ崎城はどんな城だったのかを再度検証するとともに、周辺城跡の歴史を含めた興味深いお話をうかがうことができました。  この講演と演奏の集いは柏市勤労会館で開催し、午前中もバイオリン・フルート演奏、三味線がたり、「今日もこの城、松ヶ崎城」のミニ講座、そして午後からは講演会でした。
  あいにくの雨にも関わらず、この集いに64名の方が集まりました。遠くから見えた方もいて、質疑も活発に行われました。司会の富澤さんも、見事に仕切ってくれました。参加者からは分かりやすい解説で、興味が持てたといった声が聞かれました。
  なお、会場では当会の創立15周年記念会誌を頒布しています。

 
   

    
受付 受付風景
受付 バイオリン・フルートのアンサンブル演奏のアルペジオさん
受付 お馴染み三味線がたりの茗荷さん
講演開始前の挨拶 講演開始前の挨拶
講演風景1 図版を指しながら講演をする間宮正光氏
講演風景2 熱く語る佐脇敬一郎氏
熱心に聞く受講者 遠くから来られた方もいましたが、皆さん熱心に聞いておられました
 
講演絵馬 司会の富澤さんと展示された松ヶ崎不動尊風景図絵馬の画像
 


トップへ戻る