2016/4/17講演会

手賀沼と松ヶ崎城の歴史を考える会




テーマ:「享徳の乱と柏地域」


講師:木下聡氏 (東京大学大学院 人文社会系研究科助教)
日時:2016年4月17日(日)13時45分〜16時

場所:柏中央公民館 5F 講堂 

会費:300円(資料代) 



さる2016年4月17日、柏中央公民館講堂において、当会は「享徳の乱と柏地域」と題した講演会を行いました。 関東の一大戦乱である享徳の乱は、応仁の乱にさきがけて関東を戦国時代に突入させました。講師は、若手研究者で戦国史に詳しい木下聡氏です。
今回、享徳の乱の位置付けと、関東の戦国史のなかで、房総、特に柏地域の置かれた状況はどうだったのかなどについての講演をお願いしました。  戦国初期、古河公方と対立する関東管領上杉氏の勢力は、関東各地で激突し、上杉氏陣営のなかから長尾景春のような反乱を起こすものもおり、複雑な状況にありました。そのなかで、太田道灌などの活躍がありましたが、ちょうど境根原合戦など、まさに柏地域もその戦乱の舞台となりました。その辺の流れを丁寧に分かり易く説明して頂きました。

主催 手賀沼と松ヶ崎城の歴史を考える会

HP: http://www.matsugasakijo.net/

当日講演会の様子など

 
 関東は、鎌倉時代に幕府が置かれ、南北朝、室町期には鎌倉府というものが置かれました。鎌倉府の長官が鎌倉公方(のちの古河公方)で、それを支えるのが関東管領上杉氏でしたが、実際には鎌倉公方VS将軍家、鎌倉公方VS関東管領の対立がありました。15世紀は、そうした対立のため、上杉禅秀の乱、永享の乱、結城合戦、享徳の乱など戦乱が続きましたが、最大のものが享徳の乱でした。
 
講演会レジュメより


 はじめに
・15世紀の関東のイメージは?

 1.享徳の乱の勃発まで
・鎌倉府とは
・対立する幕府将軍家と鎌倉公方
・永享の乱と結城合戦(鎌倉公方足利持氏と管領上杉憲実、将軍足利義教の対立が乱へ)
・足利成氏(持氏遺児)の公方就任
・江ノ島合戦(合戦後、成氏は上杉憲実謀殺)

 2. 享徳の乱と終結
・享徳4年(康正元年)〜康正2年の戦い
・新たな展開(堀越公方の誕生、武蔵太田・上野羽継原の合戦)
・上杉方の世代交代
・長尾景春の乱勃発 → 太田道灌が鎮圧
・太田道灌の活躍

 3. 乱における柏地域
・千葉氏の位置付け(千葉氏分裂、佐倉千葉氏の成立、成氏を支える千葉氏)
・太田道灌の転戦
・柏地域の政治的重要性は?
南北でみれば関宿・古河の公方成氏と千葉氏の勢力圏を結び、東西でみれば霞ケ浦周辺の上杉勢力と武蔵を結ぶ地域

 







    
木下先生の講演 お昼まであいにくの荒天でしたが、多数の来場者が会場に。
木下先生熱演 様々な図版、スライドを使った講演でした
境根原合戦場の跡 今も塚が残る境根原古戦場(現在の光ヶ丘団地内)
来場者 沢山の来場者からは、多くの質問がありました。その都度木下氏は的確な回答をしていました。


 


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