柏市文化財指定に

 1999年9月の設立以来、大きなテーマとして当会で取り組んで参りました「松ヶ崎城跡」が2004年7月1日付けで、柏市文化財に指定されました。
 松ヶ崎城を調べていくに従い、城跡を当時のまま保存してこられました地主の皆様、史跡を残そうと、かつて活動されました皆様のご努力を知ることとなりました。
 そして会設立からのこの5年間、千葉歴史学会・千葉城郭研究会を始めとする研究者の皆様、会員となって支えてくださいました皆様、署名にご協力いただきました皆様、相談にのってくださいました柏市教育委員会の皆様など、数多くの方々のご好意があり、活動を続けることができました。ご指導・ご援助に、厚くお礼申し上げます。
 以下、「柏市指定文化財16号 松ヶ崎城跡」(平成16年7月1日、柏市教育委員会・柏市文化財保護委員)の中から、一部抜粋いたしました。
 松ヶ崎城へのご理解とともに、変わらぬご支援を重ねてお願い申し上げます。

松ヶ崎城跡の柏市文化財指定について

 本件については、以前より資料の乏しさから、指定については見送られてきた。しかしながら今回は、柏市教育委員会の二度にわたる発掘調査(確認調査)により指定文化財とするに足る資料が得られたことと共に、近年の周辺遺跡研究成果が、中世における松ヶ崎城跡周辺地域の重要性を高めたことを受け、本件を指定に足る文化財と判断したものである。
 利根川下流域には「香取の海」にかかわる文献資料が残るものの、手賀沼周辺にはほとんど残っていない状況の中、当時の戦国の様相を良好に留める松ヶ崎城跡の歴史的・学問的な価値は高く、消滅した他の城館との比較研究の対象ともなり得るであろう。今後、文献史学・考古学などの各方面からの中世城館研究が進んでいく上で、重要な役割が期待できる。

 なお、今後は今回の答申範囲に限らず城域全体で長く保存が図られ、中世城跡を視覚的・立体的に捉えられる場として後世へ伝えて行くと共に、広く活用が図られる事を期待する。
 このことは、市街化された住宅地に残る「歴史と緑の空間」という地域のシンボル的な存在として、住民意識の高揚と郷土の理解に大いに資するものと考える。近年注目を集めている「市民との協働」という観点からも検討いただければ幸いである。

「柏市指定文化財16号 松ヶ崎城跡」
(平成16年7月1日、柏市教育委員会・柏市文化財保護委員会)から